看取り看護のポイントはサービス利用者が「いかに穏やかに、満足して最期のときを迎えられる環境を用意するか」にあります。
そのため、看取り看護を担当する介護職には普通の介護とは少し違った心構えや姿勢が求められます。
まず、前向きな姿勢を忘れないことが大切です。
当たり前のことのようにも思えますが、看取り介護の場合はなかなか難しいのが実情です。
利用者は、死への恐怖や不安から精神的に落ち込んでしまっていたり、不安定になってしまっていたりといった問題を抱えています。
そのため、介護職まで後ろ向きな心境になってしまうとますます雰囲気が暗くなってしまいますし、それが施設全体の雰囲気の悪化にも結びつきかねません。
自分自身が前向きな姿勢を保つともに、できる範囲内で利用者の精神状態の改善にも努める心構えが欠かせないでしょう。
もうひとつ重要なポイントとなるのが「利用者の意志を尊重して臨機応変に対応する」心構えです。
看取り介護の利用者にとって日々の一つひとつ行動・経験が「人生最後の思い出」になる可能性を秘めています。
本人の健康を考慮すると外出は控えたほうが良い場合であっても本人の意志を尊重して外出する、といった判断が相応しいこともあるのです。
ただ規則に則って業務を行うだけでは十分な看取り介護はいえず、柔軟な対応ができるかどうかという意識も必要でしょう。
ただし、こうしたケースでも独断での判断は避け、上司や同僚と話し合ったうえで健康・安全上問題が起こらないことを確認したうえでの実行が欠かせません。
あとは健康状態の変化に柔軟に対応する心構えも欠かせないでしょう。
このように、看取り看護では利用者にとって一瞬一瞬がとても貴重な時間であることを意識した接し方が求められます。