看取り介護における問題点や改善策
介護職の仕事の中でも看取り介護は精神的にもなかなかつらい部分があるのが実情です。
状況が改善する可能性がなく、いかに「穏やかに死を迎えることができるか」をテーマに介護サービスを提供していくのが看取り介護です。
毎日顔を合わせる環境のなかで死を意識した看取り介護を行っていかなければならず、それがサービス利用者とのさまざな問題をもたらしてしまうケースも見られます。
もっとも多いのが利用者の「生きる意欲」の低下です。
利用者は自立した生活ができず、改善の可能性も少なく、しかも自宅から離れて介護施設で生活を送っているという状況にあります。
こうした状況で食欲をはじめ、生きることそのものに対して意欲を失ってしまうことが多いのです。
こうした問題を抱えてしまったときにどうすれば良いのでしょうか。
なかなかはっきりとした改善策を提示するのは難しいのですが、過度に「死」を意識させるのを避け、「今この時」を充実して過ごすよう促すのが選択肢の一つとして挙げられます。
毎日の生活の中で生きがいや楽しみをうまく提供するよう心がけてみましょう。
また、サービス利用者が精神的に不安定になってしまうことも起きます。
意欲の低下とも関わってきますが、死への恐怖からイライラしたり、ちょっとしたことに怒り出すというケースも見られることがあります。
この点に関しては利用者のご家族とも相談したうえで改善策を練ることが大切です。
さらに、介護職が一人で抱え込むのではなく施設全体の問題としてスタッフ全員で改善に取り組んでいくことが重要になってくるでしょう。